
男性向け棚だけでは語れなくなった
スカルプケア売場と聞くと、以前は男性用の薬用シャンプーが並ぶ一角を思い浮かべる人が多かった。
いまロフトやハンズ、ドン・キホーテのヘアケア売場を見ると、その印象は薄れている。
シャンプーやトリートメントだけでなく、頭皮用美容液、スカルプブラシ、ドライヤー前のミストまで近くに並び、髪を洗うより少し広い提案になっている。
きっかけは、髪そのものの傷みだけではない。
夕方になると頭皮がべたつく、乾燥してかゆく感じる、汗をかいた後のにおいが気になる、髪がぺたんとする。
そうした日中の小さな違和感が、商品選びに入り込んでいる。
出社、外回り、会食、ジム帰りなど人と会う場面が増えるほど、髪の清潔感は服や肌と同じ身だしなみの一部として見られやすい。
ブランドの並びに生活シーンが出る
アンファーのスカルプD、P&Gのh&s、I-neのBOTANIST、YOLU。
スカルプケア売場には、かなり違う文脈の商品が一緒に置かれている。
スカルプDは頭皮ケアのイメージが強い。
h&sは地肌ケアを毎日のシャンプーに取り込む商品として手に取りやすい。
BOTANISTやYOLUは、香りやボトルの雰囲気、バスタイムの気分まで含めて選ばれることが多い。
POPの言葉も変わってきた。
専門的な成分名を大きく見せるだけでなく、夜のケア、地肌すっきり、うねり、香りが続くといった、使う時間や悩みが想像しやすい表現が増えている。
棚の前で迷う人にとっては、成分表をじっくり読み込むより、朝に髪がまとまるか、夜に気持ちよく使えるか、職場で香りが強すぎないかのほうが判断しやすいこともある。
小物と家電がヘアケアの棚を広げる
最近の面白さは、シャンプーだけで売場が完結しないところにある。
ukaのスカルプブラシのような小物は、ヘアケア棚だけでなく美容雑貨やギフトの棚にも置かれやすい。
ハンズでは、頭皮マッサージ用のブラシ、タオル、ドライヤー関連商品が近くに並ぶことで、洗う前後の行動までまとめて考えられる。
店舗ごとの役割も少しずつ違う。
ドラッグストアでは詰め替えや大容量を比べやすく、毎日使うものとして価格や続けやすさを見られる。
ロフトやハンズでは、知らなかったブランドや香りを試す楽しさがある。
ドン・キホーテでは容量や価格、話題性を見ながらまとめて買う人もいる。
同じスカルプケアでも、初回は雑貨店で質感を見て、続ける商品はドラッグストアやECで探す買い方は自然だ。
続けられるかどうかが最後の決め手
スカルプケアを選ぶときは、悩みを一つに決めつけすぎないほうがよい。
汗をかく時期にはすっきり感が心地よくても、乾燥しやすい時期には洗浄感が強すぎると感じる人もいる。
香りも、店頭では好印象でも、寝具や職場の環境と合うかは別の話だ。
毎日使うものだから、ボトルの大きさ、詰め替えの有無、浴室で倒れにくい形かどうかも意外に効いてくる。
スカルプケア売場の広がりは、髪の悩みを深刻に見せるためのものではない。
日常の清潔感や気分を細かく整える選択肢が増えたと見るほうが近い。
ロフト、ハンズ、ドン・キホーテを見比べると、同じブランドでも置かれ方が違い、買う人が何を重視しているかが見えてくる。
効果の感じ方には個人差があるため、気になる症状が続く場合は専門家に相談したい。



















